邦人かどうかはいまだ定かではないけれど、その人をはじめてみたのは自宅近くのけっこう交通量の多い道路わき。

ストリートチルドレンやホームレスも多い場所。

何で日本人ではなかろうかと思ったかというと、手のひらをうえにむけて道行く人に差し出しているのは見慣れたことだけれど、その人は正座していた。

いしなんかもごろごろしていて痛かろうになんでわざわざ正座?

日焼けした顔ではあるけれど顔つきは日本人で、身なりさえきちんとすればゴルフ焼けした駐在の部長さんといってもおかしくない感じ。

妙にニコニコしてる顔にはなんとなくテレが感じられ、「シャレでやってます」みたいな雰囲気を作り出そうとしているようにみえた。

私と一緒にいたコゾーに「日本人じゃね?」と聞いてみると

「声かけてみたら?」といわれた。

けど、なんとなく近寄れなかったな。

その後も時々おなじ場所で見かけていたけど、しばらくしたら見なくなった・・・

・・・と思っていたら、ある日近くのチョーバタ臭いモールの入り口付近で、こんどは座禅を組んでいた。

あいかわらずうっすら笑みを浮かべていたけれど、着ているものはだいぶ汚れてきている。
でもその割には髪の毛やひげはぼーぼーということもないし、がりがりにやせているわけでもなく逆に私のほうが見た目栄養不良なくらい。

私が隣に座って座禅組んだら、間違いなく私のほうにお恵みが集まってくると思うな。

その後その近辺はあまり通らなくなったので、自然と忘れてしまっていたところ、今朝衝撃の再会。

今度は汚れたブリーフ一枚で手にはビニール袋に入ったたべもののようなものを持っている。

渋滞する道の中央線付近をニコニコしながら歩いていた。

さすがにこの姿はちょっと衝撃的。

以前より逆に恰幅がよくなっているのはやたら突き出た太鼓腹のせいでそう思うのだろうけど、もしかしたら別の理由で腹が膨らんでいるのか?

あいかわらずの笑顔だけれど、今回は以前のときの笑みと違い壊れた何かを感じさせた。

どっかの記事にかいてあったけど、フィリピンに住む中年日本人男性の半数以上が困窮状態にあるのだとか。

駐在員も含む中年男性の数なのかは不明だけれど、含むとすれば駐在員の割合はどれくらいなんだろう。

駐在員が困窮しているとは思えないんで、そのほかの一般邦人の困窮率というのはさらに高くなるのではなかろうか。

私はまだ現地の収入で食べていけるだけましなんだな。いつ転落するかわからないけどね・・・

とあまりこういうことばかり書くと、心配してくれる方がいらっしゃって、救援物資を持ってきてくれたり送ってくれたりでさらに身の細る思い。

10年以上も住めばすっかり現地の生活になじんでしまっているので、逆に変な里心が出てしまう。
どうか皆様ご心配なく


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写真は夕方の渋滞風景。
建設ラッシュのマニラ近辺を下支えしている作業員の人たちが、トラックに載せられてかえるとこなんだと思う。

なんか荷台に乗せられてモノ扱いのような気がしなくもないけれど、彼らの表情はいたって明るい。
当分失業の心配がない安心感なのかな?