海外逃亡してしまいました

保証かぶれや経営する会社の経営不振。これでもかこれでもかと降りかかる災難の中、自殺まで考えたがフィリピン移住に活路をみつけ第二の人生に邁進中。海外逃亡のいきさつからフィリピン移住の参考にまでささやかなお役に立てますように・・

タグ:歯科

時々出入りのクリニックに行くと日本人の患者さんと会うことがある。
駐在の方などはすぐに日本人と分かるのだけれど、長くこちらに住んでいる人などはしばらくわからないことがある。

これはお互い様らしく、しばらく変な英語やタガログ語でやり取りした後にお互い日本人ということに気づいて笑い話になることがしばしば。

昨日もそのような日本人の方とお会いして、先方はすでに40数年こちらに住んでいる大先輩であった。

インプラントの説明になりクリニックにおいてあった拡大版のモデルで説明申し上げた、モデルの写真を撮っておいたのでついでにご紹介。

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実物はあごの骨に埋め込むもので、ごく小さなネジで直径はだいたい3,5~5mmくらいかな。
写真のモデルは説明用のもので指くらいの太さのもの。

本物はチタン製でご覧のように直径、長さ、ネジのピッチなど様々な種類がある。

今のインプラントの主流は2ピースになっていて、第一段階の植立手術では上の写真のパーツを埋め込む。

植立部の歯肉を切り開いてあごの骨にドリルで穴をあける。
そのあとタップ(ねじ山)を切ってインプラントパーツをねじ込む。
ねじ込んだ後は歯肉を縫い合わせてしまうので、パッと見には何もやってないように見えるかも。
手術自体もベテラン医師がやると30分もかからなかったりする。

初期のインプラントはほとんどが植立した後に頭の部分が歯肉から出ていて、この部分が冠をかぶせる土台となるのだけれど、出ている分やはり外的な力を受けやすいし、歯肉と頭の境目から感染しやすかったりと、あごの骨がしっかりとインプラントに食い込んで固定できるまでの失敗も多かった。

この2ピースのインプラントはその点、歯肉をかぶせてしまうこと、頭の部分が出ていないので外的な力を受けにくい、ということで今の主流になっている。

一回目の手術後約4から6か月で骨がしっかり融合されるので、そのあと歯肉に頭の部分を装着する部分の穴をあける。

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真ん中のパーツが冠をかぶせる土台となる部分で、左のネジで固定される。
パーツはすべてチタンで、土台の部分はジルコニア製のものもあるし症例によってはカスタムメイドされる。

土台がたてばあとは型をとってその上に冠を作るだけなので、この辺からは普通の治療に近くなる。

冠はセメントでつける方法やねじ止めで、後々メンテナンスなどの時には歯科医師が取り外しできるようにとか、この辺が少し通常の冠とはちがうところ。

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 今はインプラントの種類も多く、デザインも様々なのだけれど、今回はごく一般的なインプラントのスタイルだけの紹介で・・・

 

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写真はCAD-CAMというコンピューターライズされたシステムで削りだしで作った歯、歯、歯。
白いのはジルコニアという材料で金属を使わずにブリッジまで作ることができる。
グレーのやつのうち上の小さなものは、削りだしたものを焼結して金属にしている。
下のやつはチタンの無垢材から削りだしたインプラントの上部構造体。

いずれも人間の手では

歯医者で歯型を取ったらそれに石膏をついで口の中のコピーを作り、それを基に歯を作っていくのだけれど、CAD-CAMだとその歯型をスキャナーでスキャンしてデジタルデータに起こし、コンピューター上で歯をデザインして後は削りだしのマシンにデータを転送して自動で削っていく。

最近は口の中を直接スキャンできるスキャナーもあるし、型採りさえも必要なくなってきている。

しばらく前に近い将来無くなる仕事という話題があり、その中に義歯製作技術者というのがあったけれど、これはまさしく技工士のことをあらわしているのだろう。

コンピューター化、自動化が進んでいくと手作業で作る仕事の技工士は確かに役割が減ってくるのかもしれない。
ソフトウェアの中に歯の形態も入っていて、それを当てはめていくだけという作業があるのだけれど、手作業の場合は歯の形態を作るにも作り手のセンスが反映されてしまう。

従来の工程だと出来上がりは作り手の技量にかなりの部分左右されるのだけれど、コンピューター化された方法ではこの点均質化しやすい。

日本では今技工士の不足が注目され始めているようだ。
もともと長時間労働低賃金というイメージが強く、熟練も必要なためそれなりの技量になってそれなりの収入を稼げるようになるまでには、やはり時間がかかってしまう。いうなれば職人さんだしね。

そんなこんなで離職率も高く、日本では資格取得後1年以内の離職率が8割ぐらいじゃなかったっけか。
現在の日本では活動している技工士の半数近くがすでに50歳以上なんだとか。

その後の若い世代が続いていないわけで、高齢化社会に伴う義歯の需要にだんだん追いつかなくなってきているのではないか。

今の50歳以上の世代の技工士が随時リタイヤしていくであろうここ数年からがさらに大変になってくるのが想像できてしまう。

機械化、コンピュータライズもひとつの解決方法だろうけれども、自分でここ数年CAD-CAMシステムも使ってみて思うのだが、やはり技術者としての経験、知識は欠かせないと感じている。

均質化され、7割くらいのできは確保しやすいけれども、やはりその後の8割9割まで引き上げていくのはまだまだ人の手にかかっている。

後はアウトソーシングか外国人の技術者を受け入れざるを得なくなってくるのではないだろうか。

歯科のアウトソーシングも中国に出すことはすでにやられているんじゃなかったっけか。
でも日本の薬事を通った材料が使われていなかったり、金属から鉛が検出されたとか聞いたこともある。

アウトソーシング先、外国人技術者ともこれからはフィリピンが注目されてきそうな気配も感じてきているのだけれど・・・

もうしばらくいろんな方面でフィリピンのバブルは続くのではないだろうか。

 

たぶんこういう専門的な部分は普通の人はあまり見られないところなので面白いのかも知れない。
・・と思って蛇足ながらまたまた歯の話題。

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前から見ただけではわからないのだけれど、これはラミネートベニアといってセラミックスなどで作る歯の表面だけの補綴物。
簡単には見た目の回復が主な目的で、歯の色が気になる人、歯並びをきれいにしたい人などが主な対象。

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この写真は上あごのモデルだけれども、真ん中から時計回り方向にセラミックスのクラウン(冠)いわゆる差し歯、その次がちょっとわかりつらいかもしれないけれどこのラミネートベニアというもので切縁部までしかセラミックスで覆っていない。
次が犬歯(糸切り歯)で何も治療していなくて、次がセラミックスのインレー(詰め物)。
その次2番目の小臼歯と第一大臼歯は見た目じゃわからないのだけれど、材質が違うクラウン(冠、かぶせ物)で、小臼歯のほうがジルコニアで大臼歯のほうはハイブリッドセラミックスといわれるコンポジットクラウン。
ハイブリッドセラミックスといっても要はプラスティックみたいなもので、中にセラミックスの粒子を練りこむことで表面硬度を高くしている。
真ん中のセラミックスクラウンやジルコニアクラウンとは材質は根本的に違う。

今回はフィリピンの芸能人やお金持ちの人に人気のラミネートベニアを紹介しようかな。

ラミネートベニアはクラウンと違って削る範囲が表から見える範囲のエナメル質内で済ませるため、ものすごく削除量が少ない。
そのためほとんどの場合は神経の治療が必要ないし、削除量が少ないということはそれだけ削られるあの苦痛も少ないということだ。

主な目的は芸能人やお金持ちの方たちは、歯を白くするためや、歯並びをきれいにするためにこのラミネートベニアを選択される。

歯の漂白、いわゆるホワイトニングということもやっているのだけれど、白くするのもある程度限界があるのと、若干の後戻りがあること、さらに着色しやすい食べ物や飲み物に気をつけなければならないためちと面倒なところがある。

結構テレビに出ているフィリピンの芸能人など、このラミネートベニアを入れている人たちが多い。
金属も使わないので見た目はごく自然に出来るし、じゃあ何で芸能人が入れているのがわかるかというと、わが社で作ったものが多いからなのである。

そんなタレントなんかが、歯を白くする効果をうたった歯磨き粉のコマーシャルなんかをやっているのを見るとなかなか微妙だね。

上の2番目の写真で真ん中から割って左側の補綴物は比較のために作った金属の詰め物とかぶせ物。
日本ではこの種類が保険適用なので結構よく見かけるけれど、フィリピンではそういった保険が無いために、逆にこういった金属製の補綴物はほとんど見かけない。

ごく一般的な治療でも金属冠の上にセラミックスを焼き付けたいわゆる差し歯が多いし、差し歯を入れるお金が無い人は抜いて入れ歯、ということになろうか。

こういうところにも貧富の差は見えているし、一億層中流といわれる日本は結構な割合で金属が口の中にはいっている。

なんにせよ歯は大事にしましょう。
私はいつでも治せるという気持ちがあるためか、かなりがたがた・・はは



 

せっかくなのでたまには歯の話題を・・・

フィリピンでもハイテクなところはあるのだと、ちょっと知ってほしいし。

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なるべく体の中に金属は入れないように、というのがここのところの主流だったのではと思う。
以前は金(Gold)がもてはやされた時代もあったし、わざわざ前歯に金冠をかぶせることもあったっけ。

今では日本でほとんど使われることはなくなったと思うけれど、小さな虫歯なんかはアマルガムというものを詰められていたこともある。

これは水銀と銀の粉を混ぜると固まる性質を利用した充填物だけれど、水銀の有害性もあって日本ではもう絶滅したのでは?

フィリピンではまだ見かけるのだけれど・・・

上の写真は金属冠と新しい材料ジルコニアの歯。
金属冠は日本では保険適用されていて、なるべくお金かけないでということであればこの冠をかぶせることになる。(*最近の日本の保険事情は詳しくないので間違ってたら申し訳ない)

ジルコニアはイミテーションのダイアモンドというイメージもあるかと思うけれど、かなり固い材料でこの材料を金属の代わりに使う技術がある。

当初はジルコニアの土台にセラミックスを焼き付けて歯の色に合わせたりしていたのだが、最近はジルコニアのみで冠全体またブリッジを作ることもできるようになっている。

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透過光で見ると金属の有り無しは明らか。
もともと天然歯には金属なんてものはないので、見た目もどちらが自然にできるかというのは明らかだとおもう。最終的には歯科医師と技工士の腕にもよるんだけどね。

普通の差し歯だと中に金属の土台が入っていて、その金属色を遮蔽しないといけない。
カラオケバーなんかのブラックライトにあたるとやたら白く浮き上がるんじゃなかったっけ。

そういうとこでもてたいおっさんたちにもジルコニアはお勧めかもね。

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上の写真はジルコニア100%の歯。
日本で入れるよりも金額やすいので、腕のいいところで入れられるならフィリピンおすすめ。

プロモーション用にちゃんとしたカメラで撮った写真なので、今回はちょっと学術的な話題になったような・・



たまには本業の話題をすこし・・
フィリピンで歯科治療を考えている人がいたらほんの少しは参考になるかも。

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だいぶ昔は口の中に金を使うのがなんかステータスみたいになっている時代もあったっけ。
日本にいた頃だいぶ前に地方で仕事していたときも、時々金歯で作ってくれとか、わざわざ入れ歯にまで金をはめてくれとかいう注文があった。

それからいわゆる瀬戸物の差し歯という懐かしい響きで、ポーセレンを金属冠に焼き付けて白い歯を作るのがスタンダードになってきて、さらにより自然にとその技術や材料もかなり成熟してきた。

その後、今度はなるべく口の中から金属を無くそうという考えが一般的になってきて、オールセラミックスとかさらに材料や製作手法、技術が進化してきた。

ここしばらくはジルコニアがもてはやされてきているようになって久しい。

ジルコニアというとダイヤのイミテーション的な響きもあるけれど、かなり硬く丈夫な材料で、それまでのオールセラミックスだと、冠一本ずつとか、連結するのに制約があったり、ブリッジにはつかえなかったりと、強度からくる制約があった。

その辺の強度の問題を一応解決できているのがジルコニアとされている。
ただ問題は製作にCAD-CAMのシステム機械を導入しないといけないため、なかなかどこでもやっているというわけには行かない。

製作方法も従来のトラディショナルな方法に比べると科学的で、歯形をスキャナーでスキャンしてコンピューター上でデザインし、それをミリングマシーンというもので削りだす。

システムで数百万するためなかなか気軽に導入できるシステムではない。

日本での最近の歯科医院価格は詳しくないけれど、ポーセレンのクラウン、いわゆる保険外の差し歯で患者さんは6万から10万円くらいは払うのではなかっただろうか。

対してジルコニアのクラウンだと多分その1.5倍以上はとるのではないかとおもう。

うちの技工所は一応世界レベルを目標にしているオーナーの意向で、このシステムがなんと2つも導入されている。

技工所の看板娘的なものでかなりの数を日々製作して各歯科医院に納めているけれど、患者さんにチャージする価格は大体5万から7万円くらいだそう。

日本に比べるとかなり安い。

アメリカ、オーストラリア、アラブなどからわざわざフィリピンに歯を治しに来る人が多いのも、これが主な理由だろう。

日本人も時々患者さんとして見えるのだけれども、わざわざ歯を治しにくるというより、仕事でフィリピンに住んでて、歯に問題ができたからしょうがなく日本に帰るまでの応急処置に、といった感じが多いように思う。

冠を入れざるを得なくなっても安いほうのポーセレンで、というのがよくあるパターン。
日本だと保険の金属冠が安いのだけれど、こちらではそういった保険制度が無いので基本自費診療だしね。

老婆心だけれどもこちらのポーセレンは中の金属冠の材料は、ほぼニッケル合金を使っている。

日本でもしばらく前までは多く使われていた合金だけれども、ニッケルアレルギーとか金属アレルギーとか言われるようになってから、あまり使われなくなった金属だ。

中にはベリリウムという毒性のある成分の入ったニッケル合金もあるし、技工士にとってはそちらのほうが操作性がいいので人気の金属でもある。

ベリリウムの害を一番こうむりやすいのは技工士なんだけどね、この辺は知識と意識が低い弊害。

そんなわけで、フィリピンで治療しないといけなくなって、冠を入れないといけない場合はジルコニアクラウンはあるかどうか訊いてみよう。

ジルコニアのシステムを導入している技工所であれば、ある一定のレベルは達成してるはずだし、何より日本より安い値段で入れられる。

中の構造体に金属が無い利点で色調もより自然だしね。

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