去年もこの話題を書いたような気がするけれど、そろそろまたこの時期になった。

9月から始まるフィリピンのクリスマスシーズンも、11月になるといよいよ絶好調になる。
どこに行ってもクリスマスソングと飾りつけ。

フィリピンにはちょっと変わった法律があって、正社員には12月のクリスマス前に一か月分の給料を余分に払わないといけないらしい。

従業員にとってはボーナスみたいなものだけれど、ボーナスと違ってこれは会社の業績に関係なく正社員であれば受け取る権利が保障されている。

わが社もグループ関連企業をすべて含めると、いつの間にか200名に迫るほどの従業員がいる。 
それぞれの給料は小さいとはいえ、これだけの数になると全体では結構な額になるわけで、
雇う側はなかなか大変であろう。

うちもすべてが正社員ではなく、大体こちらの慣習として新入社員は6カ月の試用期間がある。
この間は正社員扱いではなく、いろいろな条件の制約がある。
この期間の従業員は13カ月目の給料もない。

これを利用して賢いというかずるい経営者は6カ月になる前に従業員を入れ替えるところもある。

技術職なんかはまだ安全だろうけれど、かわりが簡単に見つかる職種、例えばスーパーのレジ打ちなんかはこういう仕組みが半ば当たり前になっている様子。

雇われる側も6カ月で切られるのはわかっているので、必然意識は低くなる。

フィリピンに来初めのころ、モールの店員の多さと、つっけんどんな対応にかなりびっくりしたのだけれど、
裏にはこういう事情もあったのかと、近頃つくづく思うようなった。

人口が多く、若い世代いわゆる労働人口が多いため、かわりがいくらでも見つかる、というのもある面ではいいことなのだろうし、入れ替えをやることによって収入を得られる世帯が増えるという面では、やはりフィリピンの今の現状には適してるのかも知れんね。

なんにしてもこれからしばらくクリスマスまでは、フィリピンが一番盛り上がる時期。
普段はモールに行っても、エアコン効いたところで散歩しているだけみたいなノリの人が多いのに、
この時期ばかりは買い物袋を提げた人たちが多くみられる。

クリスマスパーティーも各所職場単位、家族単位で行われるし、プレゼント交換も必ずセットになっている。

いやいやこっちに住んでると、この熱気に巻き込まれていつの間にかウキウキしている自分に気づく。

クリスマスが終わった後の反動がまた怖いんだけどね。
特に管理職の人たちは頭が痛いかもしれない。
 
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