いま勤めている技工所は新規立ち上げ開業からかかわってはや6年。

6人から始まったのにいつの間にか50人を超えるスタッフになってしまっている。

それは置いといて、毎年年始にボスとスタッフ全員参加の全体会合がある。

そこで昨年の営業報告やら今年度の目標みたいなことをプレゼンするのだけれど、
その集計を見ていてちと気になったことが・・

開業当初「ほかの技工所がやっていない特色を出さねばならん」というボスの考えで、
ジルコニアを削り出すCADーCAMシステムを導入することになった。

ほかでやっていないというにはわけがあって、システムで1500万円ぐらいする。
今はもう少し安い選択肢もあるみたいだけれど、うちのボスはブランドにもこだわるのでこのシステムはイタリアのものだったかな。

日本でもそうだけれど、これだけの設備投資はなかなか個人の技工所ではできるもんではないだろう。

うちの場合は支店を含めて数軒の歯科医院を母体にしているのでできたことなんだろう。

今回の全体会合に先立って過去の実績を出すのに、このCAD-CAMシステムを導入してからの生産本数というようなものも出てきた。

今までは一年単位の集計だったので気にしなかったのだと思うけれど、販売価格ベースに直すと5年間で軽く一億円を超える売上を出したことになっていた。

一年あたり一千万円強。
最初の投資額やら、年間の保守料、もちろん材料代はそこから引かないといけないのだけれど、それでも、昔日本でやっていた小さな自分の技工所レベルから見ると大きな金額になる。

やはり資本がないとそれなりに稼ぐことはできないのかねぇ。

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これがそのシステムで削り出したジルコニアの歯。
白く丸いのが生の材料で4万円くらいかな?

このあと切り離して、色付して焼結させて最終的な処理や色つけして完成になるけれど、
医院に納入価格で計算するならざっと40万弱か・・・

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これが焼結後。
なかなか真珠のような輝きでいいね。

CAD-CAMの良いところはコンピューター上でデザインするので、老眼の身にとっても楽。
見づらいところでも画面上ならいくらでも拡大できるし、はみ出たり足らなかったりということがない。

デザインしてCAMにデータを送ればあとは自動で削り出してくれる。

これをやりだすと昔ながらのやり方はきつくてやりたくなくなってくる。

寄らば大樹の陰なんかなぁ・・・と最近思うようになってきた。