フィリピンに来る前一年ほど、大阪のほうに住み込みで仕事していたことがある。
貧乏の思い出」で書いたころのことで、幽霊が出るような古いマンションに住み込んで 
顔面補綴の学校もどきを手伝っていたころ。

2週間ほどその建物から一歩も出たことが無かったことがあったっけ。

朝は校長先生と呼ばれるおっさんがパンを買ってきてくれる。
そのパンを食べるときに息子が送ってきてくれたものだ、といってコーヒー豆を出して淹れてくれるのだが、
パッケージが原色でかなりな色使い。

でもその怪しげなパッケージのイメージを完全に覆すような、部屋中に広がるいい香り。

ハワイのコーヒーなんだと。

だいぶ後になってあの香りはヘーゼルナッツのフレーバーが入っていたのだと知った。

フィリピンにきてからここ最近、なぜかコーヒーをよく飲むようになり、そうするとあのおっさんの持ってきてくれたコーヒーが無性に恋しくなった。

ヘーゼルナッツフレーバーの豆を探すのだけれど、似たようなものはあってもあの原色のパッケージじゃないし、香りもなんか覚えているものと違うような・・・

思い出の中で補正されているだけなのかと思っていたのだけれど、なんのことはない、アマゾンで売っているじゃないか。

ライオンコーヒーというげな。
口を閉じるブラス製の小さな洗濯ばさみみたいなものも記憶によみがえってくる。

こぞーや嫁さんの頼まれ物と一緒にアマゾンで注文してみた。

あとで気づいたのだけれど、豆を挽く機械を持たない。
どうしようと思って届いたパッケージを開けてみたら、最初から挽いてあった。はは

早速淹れてみたらやはり記憶の中の香りは正しかった。

2015-10-07-23-08-26
お試しあれ。

一緒に写っているフィルターはこちらで買った簡単なもの。
しばらく布のフィルターで淹れていたのだけれど、ゴキブリが住み着いているといわれて
嫁さんに捨てられてしまった。

ノートのほうは30年ほど使っている皮製のカバー。
中のノートは早々に使ってしまって、書類入れみたいになっていたのだけれど、
大きさがあうノートが規格であるというのにいまさら気づいた。

またミンクオイル塗ってあう大きさのノートを入れて使っている。
貧乏すると物持ちがよくなるな。